約一年前のエントリーにコメントをもらった。(「そうじゃなくて」さん、ご指摘ありがとうございます)改めて自分のエントリーを読み直してみたが、自分でも何がいいたいのか、よく意味がわからない。おまけに元の記事が参照できない。
中山文科大臣の気になる発言もあるので、ここでもう一度、このエントリを追いかけてみよう。
確かにコメントでいただいたように、デジタルペンの導入によって採点が省力化されるという風に読めばよいのであろう。ただ、わたしが気になったのは「新
学習指導要領と学力低下問題を背景に」という変な文章とその次に書いてある「相対評価テストに代わり絶対評価テストに対するニーズが台頭した」という部分
である。何かがはしょってあり、こんな妙な文章になっているのだろうと予測される。そういうわけで、プレスリリースを探して見た。
共同開発ということもあり、意外と簡単に見つかった。
マクセルのプレスリリース
大日本印刷のプレスリリース
ワオコーポレーションのプレスリリース
アノト日本のプレスリリース
仕組み自体はなかなか興味深く、応用範囲も広いと思う。記者が参照したと思われるプレスリリースの該当部分をそのまま引用すると次のようになる。
文科省の「ゆとり教育」の具体策である「新学習指導要領」からのニーズと、それと真っ向から対立する、巷で言われる「学力低下問題」を同列に並べ、両方 を解決するような書き方がやはりおかしく感じさせる。民間教育と公教育とは塾と学校ということだろうが、これも文科省の指導のもとにある(公立)学校と学 力低下問題をテコに親のニーズを取り込みたい塾の両方にニーズがあるという虫のよい書き方も気に食わない。
また、「絶対評価」という言葉の捉えかたがそもそも違うものを同じ言葉でくくろうとするからわかりにくくしている。私が理解している学校での絶対評価の導 入というのは、そもそも能力の違いのある児童・生徒の一人ひとりを、成長を個性や能力に応じて見ていこうというヒューマンな考えに基づくというものであ る。一問一問の正解を分析して、その子が理解できていない部分を見ていくということは、むしろ少人数クラス体制になった担任教師の役割であって、それをシ ステム化するというのは、何か学校の現場にはなじまない気がしてならない。
しかし、問題はさらにおかしな方向へと進みつつある。中山新文科大臣の「ゆとり教育からの路線変更」は明確となり、ふたたび(いわゆる)学力強化の方向 に振り子がゆり戻されつつある。そうなると、このようにテストの分析に、IT技術を取り入れて、学習の達成度を生徒ごとに細かく管理するということもある かもしれないと思うが、それでいいのかは、疑問が大いに残る。この問題は、少しずつこのブログで整理していこうと思う。
中山文科大臣の気になる発言もあるので、ここでもう一度、このエントリを追いかけてみよう。
一
昨日(3/5)の一面トップ記事は「デジタルペン誕生-ワオ、第日本印刷、日立マクセル・先生の採点お助け」というもの。スウェーデンのアノトというとこ
ろが開発した小型カメラを内蔵したペンが採点者の○×を読み取り、パソコンで集計処理するものらしい。それを学習塾のワオコーポレーションと大日本、日立
マクセルが実用化するらしい。ここまではわかる。 ところが、次にいきなり「文部科学省の新指導要領や学習低下問題などを背景に、教育現場では、相対評価テストに代わり、手間やコストのかかる絶対評価テ ストに対するニーズが台頭。教育機関のIT化の促進が不可欠になっており、その市場規模は、中学生に限っても二百五十億円を超えるとみられている。」と なっており、採点を自動的に処理するシステムが、なぜ絶対評価につながるのかが書いてない。 結局、合計点数でしか、評価しなかった絶対評価に対して、ひとりひとりの個別の設問の正解、不正解を細かに見ていき、過去の同様の設問の成績をパソコン でシステム的に照合して、理解が進んだか、わかろうと努力したか達成度を見ようということだろう、ということだろうと思う。クラスで何番が問題じゃなく、 個々の生徒が、どこでつまずいているかを正解不正解のデータを追跡してやろうということだと思う。 でも○×の採点ならマークシートでもできるし、もちろんデータ化もできる。いや待てよ、そうか、記述式問題のようなマーク化できない問題を先生が人間の判断で○×に振り分けて集計できるところに利点があるということだ。そりゃ、すごいことかも!! そういうことが、書いてないとわからないよね。 |
コメント:採点のシステム化(自動化)→「手間ひまがかかる」にかかっているんだと思いますよ。もっとも教育上の考察はお飾りであって、この文章では何の意味もなさないものになっているのは確かですが。記事を書いた人にとっては、残りの文章はおまけですね。 |
共同開発ということもあり、意外と簡単に見つかった。
マクセルのプレスリリース
大日本印刷のプレスリリース
ワオコーポレーションのプレスリリース
アノト日本のプレスリリース
仕組み自体はなかなか興味深く、応用範囲も広いと思う。記者が参照したと思われるプレスリリースの該当部分をそのまま引用すると次のようになる。
小学生などを対象としたテストの場合、マークシートなどの導入が難しいため、教育現場においては、採点作業を効率化するため、マークシートへの転記、パン
チ入力、OCR処理などの作業が行われていました。今回開発したシステムではこうした作業が一切不要となり、より速く、正確に、低コストで、答案用紙の採
点を行うことが可能となります。 従来の答案用紙に加えてドットパターンを印刷することにより専用紙にすることが可能ですので、選択式や記述式など出題形式を問わず、すべての答案用紙を専 用紙化することが可能です。また、アノト方式デジタルペンは、小型・軽量であるため、どこへでも携帯して利用可能であり、作業手順や作業環境を全く変えず に、従来と同じ採点作業が行えます。インターネットを使って、全国どこからでも採点結果をサーバに送信し、答案用紙の郵送などを行うことなく、短時間で採 点結果や集計結果を出すことが可能になります。 文部科学省の新しい指導要領、新しい評価方法、学力低下問題などを背景に、民間教育と公教育の双方において、相対評価テストに代わって、一問一問の結果 を分析した絶対評価テストに対するニーズが高まっており、中学生向け市場に限っても、250億円を越える市場が見込まれます。このニーズに応えるために は、手作業による膨大なデータ入力のコストと時間が大きな問題となりますが、今回開発したシステムを使うことにより、低コストで付加価値の高いテストが実 現可能となります。 |
文科省の「ゆとり教育」の具体策である「新学習指導要領」からのニーズと、それと真っ向から対立する、巷で言われる「学力低下問題」を同列に並べ、両方 を解決するような書き方がやはりおかしく感じさせる。民間教育と公教育とは塾と学校ということだろうが、これも文科省の指導のもとにある(公立)学校と学 力低下問題をテコに親のニーズを取り込みたい塾の両方にニーズがあるという虫のよい書き方も気に食わない。
また、「絶対評価」という言葉の捉えかたがそもそも違うものを同じ言葉でくくろうとするからわかりにくくしている。私が理解している学校での絶対評価の導 入というのは、そもそも能力の違いのある児童・生徒の一人ひとりを、成長を個性や能力に応じて見ていこうというヒューマンな考えに基づくというものであ る。一問一問の正解を分析して、その子が理解できていない部分を見ていくということは、むしろ少人数クラス体制になった担任教師の役割であって、それをシ ステム化するというのは、何か学校の現場にはなじまない気がしてならない。
しかし、問題はさらにおかしな方向へと進みつつある。中山新文科大臣の「ゆとり教育からの路線変更」は明確となり、ふたたび(いわゆる)学力強化の方向 に振り子がゆり戻されつつある。そうなると、このようにテストの分析に、IT技術を取り入れて、学習の達成度を生徒ごとに細かく管理するということもある かもしれないと思うが、それでいいのかは、疑問が大いに残る。この問題は、少しずつこのブログで整理していこうと思う。
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