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昨日のエントリーの続き。よく考えて見ると
「高校卒業程度認定」の「程度」というのは、なんとあいまいな表現ではないか。ほとんどの大学で、入試が競争の意味を持たなくなってしまっているので、高
校の卒業といっても、学力を測る尺度がなくなっているということなのか。「程度」とか「認定」とか、受験戦争といわれた時代には何の意味も持たなかった
が、これからは、大切になるのかも。
ただいま今年度の大学の入試要項の編集作業中。今年から新課程の受験生を迎えるので入試問題が変わる。学習内容の削減という「ゆとり教育」の洗礼を受けた
彼らに合わせた入試問題が必要になる。それに合わせて大学検定のこと調べていたら、昨年8月31日に文科省から「大学入学資格検定試験(大検)」という名
称を変更して「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)」と変わることを知った。
今日まで知らなかったのは、大学の広報としては、恥ずかしい話だ。まず「検定」から「認定」への言葉の変更だが、やわらかくなった感じを受けるので良いの
では。文科省の説明では大学・短大・専門学校への入学資格だけでなく、就職転職、資格取得などでも高校卒業と同等の学力の認定となるということらしい。受
験科目は9科目から8科目になったが、いままで選択であった英語が必修になった。さらに全日高等学校に在籍しながら受験できるようになった。(通信制、定
時制の在学生も今までどおり受験できる)
受験年度の3月31日までに満16歳以上なら誰でも受験できる。
文部科学省高等局から「経営困難な学校法人への対応方針について」
という文書が出された。3月の終わりになにやらあわただしい動きになっているなあと思ったら、5月16日付けで、かなり詳しい内容の文書になって出てき
た。やはり、具体的にこうした学校法人(私立大学)が出てきているということだろう。僕が感じている「受け皿大学」という発想の問題点を書いておくと、経
営が困難になった大学と受け入れる大学(受け皿大学)との関係だ。日本にはまだ、偏差値という考え方が根強い。偏差値の高い大学は受験生も多く安定してい
る。ところが偏差値が低い大学は受験生が集まらず、経営が厳しくなる。ここまでは、みんなと同じ、次に普通に考えれば、受け皿大学は経営の安定した大学が
なるべきということになるが、経営が破綻した大学から受け入れる学生と厳しい受験を通ってきた学生が同じキャンパスで学ぶのは、どうもしっくりこない。卒
業証書の問題もある。できれば偏差値ランク帯が同じような大学がいいということになるが、そこも受験生集めに苦労しているということになると、それでは根
本的問題の解決にはならない。
こう考えていくと、企業の合併吸収とは異なる意外と解決困難な問題が残ることになる。
(追記)これに対する私大教連(私大連ではない)の公式コメントが出ている。
先週から今週にかけて大学入試関係の相談会などのイベントが目白押し。特に、この時期は高校の先生との顔合わせが多い。私も、連日高校の先生と話詰めだ。
昨年度入試結果の報告やら今年度入試の変更点などを中心に話しているのだが、面白いのは、新しく進路担当になった先生、3年の担任になった先生との面談。
まだ大学入試のことがわかってないということで、熱心に聞いていただける。これ幸いとこちらは自大学のアピールを交えつつ、できるだけ気に入ってもらえる
ように話す。うちの大学の場合は、小さな大学の少人数教育が如何にすばらしいかを強調することになる。
一方、顔見知りのベテランの先生との会話
は難しい。昨年どのような生徒を送ってもらったのか、在学生がどのように過ごしているかなどを把握しておかなければならないからだ。だって、少人数できめ
こまかな指導がウリのところが、全然学生の顔が見えていないということは話が違うということになるからだ。ぼろを出さないように、事前にできる限り、資料
を作っておくが、やはり緊張する。
さて、もう一つの楽しみは、他の大学との意見交換だ。同じ苦労をしているだけに、結構どこも本音で話してくれる。もちろん、こちらも腹を割って話した場合なのだが。
このようにして延べ50校ほどの先生と話をすることになり、みんなの分を合わせていくと200校ぐらいの数になる。全国で5000校くらいなので、この数
が多いのか少ないのかわからないが、このようにして今年の募集戦線はスタートしていく。次は高校生を集めたオープンキャンパスだ。ほど1カ月に1回のペー
スで秋口まで行われていく。
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