京都府立大(京都市左京区)は24日、人間環境学部の40歳代の男性准教授が先月から今月にかけ、他大学を中傷するファクスを34都道府県の301高校 の進路指導部に送っていた、と発表した。「ひったくりなどの刑事事件が頻発し、きわめて悪評の高い大阪南部にあります大阪府立大や大阪市立大とは全く比較 になりません」などと記し、京都府立大が新設する生命環境学部の受験を勧める内容だった。
問題の文書は「一般入試の御案内と御願い」と題し、太字や下線で強調してライバル大学を中傷している。その一方、京都府立大の地区を「治安状態が極めて良好」と強調していた。
広報的に考えて一教員の勇み足とは思えないのだけれども。内容は他大学を名指しで貶める非常識なもののようだが、少なくとも高校の進路指導が本物かと問い合わせてきていることとタイトルが「一般入試のご案内と御願い」となっていることを考えると、入試委員会とか入試課とか部署が関係しているとしか読めない。
ただ34都道府県で301高校というのは広報としては弱い。一県あたり10校未満だから、西日本を中心に進学校を狙ったのだろうか。サンデー毎日の速報(最終的には5000校弱のデータを集計している)で進学実績がちょうどこのくらいの数なのが気になるが、おそらく関西を中心に進学実績がある高校という基準なのだろうか。全国5000以上の大学があるわけで、半分に送っても2000校くらいにはなる。FAXの同報通信サービスを使うとあっというまに送れてしまうのだが、まさか教員が一校一校にFAXしたのではあるまい。そうだとしたら涙ぐましい、無駄な(というより逆効果)努力をしたことになる。
なにか、広報担当としてはいろいろなことを考えさせられるニュースである。昔だが、高校訪問に行った教員が、自大学の悪口ばかりをいって帰ってきて、あとで高校からあれで大丈夫かと電話をもらったことがあった。
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