9月9日(ブルームバーグ):世界の教育機関で最も豊富な資金力を持つ米ハーバード大学は、寄付基金の過去1年間の運用成績がプラス11%となったことを明らかにした。同基金のベンチマークを上回る成績だったものの、ウィルシャー・アソシエーツが算出する年金や寄付基金などの指標のリターンは下回った。
というニュースですが、リーマンショックで大きな損失を出したハーバード大学が少し戻してきているようです。それにしても運用額が半端ではありません。
>基金の規模は14億ドル増えて6月末時点で274億ドル(約2兆3000億円)。寄付金の増加には運用収益のほか、寄贈者からの寄付金と大学側への拠出が反映されている。
金融危機前にはこのハーバード大学方式が日本でも評価が高く、有名私大で資産を持った大学は資金運用に積極的になっていました。
学長インタビューなどでも資金の運用を積極的にやることが大学を活性化するという発言が目立ちましたし、文部科学省なども後押しするような動きもありました。
その結果が駒沢大学で代表される大幅な運用損を出してしまったわけです。
それにしてもさすがアメリカです。タフですね。日本の大学では無理なので真似しないことです。 ↓
>市場急落の数週間前の2008年7月にハーバード・マネジメントの最高経営責任者(CEO)に就任したジェーン・メンディロ氏は、同基金の運用成績がマイナス27%と、過去最悪を記録したのを受け、外部の運用担当者の削減やプライベートエクイティ(PE)投資ファンドや不動産ファンドへの出資を4割強減らした。
>メンディロ氏(51)は年次報告書で「われわれは過去2年間に、資本の管理と市場の予想外の動きに備えることについて具体的な教訓を幾つか学んだ」とし、「これまで行ってきた調整を続ける」方針を示した。
ニュースでは一般の他の年金などの運用指標であるウィルシャー指標13%を下回ったということですが、11%はいい数字ではないでしょうか。
アメリカではファンドレイジング(募金集め)のうまい学長がいい学長といわれます。
これも日本とは違いますが、必ずしもアメリカ型がいいわけでもないというのが2年前の教訓のはずです。
その教訓が生きているようには思えませんが…。
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