生物が進化の過程で獲得してきたロバストネス(堅牢性)というのは冗長性(いってしまえば無駄な仕組み)と多様性だということを書きましたが、大学というところを見ていると、つくづくその通りと思えてきます。
よく外部の方が大学を批判する時に「非効率」ということをおっしゃるのですが、実はそこに意外な強さも含んでいるのだと最近考えるようになりました。教授会を見ているとほとんど会議は踊る状態だったりします。でもその微妙というか絶妙というかそういうバランスの中で、物事が運んでいき、それが結構正しかったりします。
私が関係する広報の仕事でも、一旦教員に内容やデザインを検討させると大変なことになります。延々議論が続き、最後には任せるというのが多いのですが、それでも、そのことが無駄ではなかったりします。とんでもない意見に思えたものも後になって、振り返ってみると意外と的を射ていたりするのです。
先日もある文系の学科がリーフレットを作りたいというので、デザイン会社を紹介してほしいという話が学科の広報委員(教員)からありました。仕事上デザイン会社とはいくつか付き合っていますので、合いそうなところを紹介しました。私の中で合いそうなところという基準は、根気強いということが第一でした。
どうなったか、修正、修正で8校までいき、最後に写真が気に入らないと撮りなおし、ようやく時間切れで印刷になりました。途中でなんと横組みを縦組みにせよという指示まで飛び出す始末。それでも教員の誰一人、おかしいといわず、ほんとに延々修正し続けたわけです。私の方にはデザイン事務所から泣きが入りましたが、事前にそうなるけどやるかと念押ししてあったので、最後までやったようです。
さぞかし、満足のいくものができたのだろうと、広報委員に感想を聞くと、あのデザイナーはだめだというのです。指示通りやらないと。
デザイナーもたまったものではありません。ここまで付き合ってあげて、誉められると思ったらこの評価ですから。真相は自分たちで決められないことを全部デザイナーのせいにしてしまっているのです。「これでいく」という指示を誰も出さない。
こんな話をすると、ダメじゃん、と思われるかもしれませんが、これが良さでもあるのです。社会では通用しませんがね。
その様子を傍で見ていたある人(外部)が「blcさん、先生方は決めるということで動いていないんですよ、ああでもないこうでもないとやるのが学問ですから」。
私は、思わず、ひざをたたきました。学問の本質は案外「冗長性」と「多様性」にあるのかと。そして、それは社会にとって、必要なものでもあるのかと。
よく外部の方が大学を批判する時に「非効率」ということをおっしゃるのですが、実はそこに意外な強さも含んでいるのだと最近考えるようになりました。教授会を見ているとほとんど会議は踊る状態だったりします。でもその微妙というか絶妙というかそういうバランスの中で、物事が運んでいき、それが結構正しかったりします。
私が関係する広報の仕事でも、一旦教員に内容やデザインを検討させると大変なことになります。延々議論が続き、最後には任せるというのが多いのですが、それでも、そのことが無駄ではなかったりします。とんでもない意見に思えたものも後になって、振り返ってみると意外と的を射ていたりするのです。
先日もある文系の学科がリーフレットを作りたいというので、デザイン会社を紹介してほしいという話が学科の広報委員(教員)からありました。仕事上デザイン会社とはいくつか付き合っていますので、合いそうなところを紹介しました。私の中で合いそうなところという基準は、根気強いということが第一でした。
どうなったか、修正、修正で8校までいき、最後に写真が気に入らないと撮りなおし、ようやく時間切れで印刷になりました。途中でなんと横組みを縦組みにせよという指示まで飛び出す始末。それでも教員の誰一人、おかしいといわず、ほんとに延々修正し続けたわけです。私の方にはデザイン事務所から泣きが入りましたが、事前にそうなるけどやるかと念押ししてあったので、最後までやったようです。
さぞかし、満足のいくものができたのだろうと、広報委員に感想を聞くと、あのデザイナーはだめだというのです。指示通りやらないと。
デザイナーもたまったものではありません。ここまで付き合ってあげて、誉められると思ったらこの評価ですから。真相は自分たちで決められないことを全部デザイナーのせいにしてしまっているのです。「これでいく」という指示を誰も出さない。
こんな話をすると、ダメじゃん、と思われるかもしれませんが、これが良さでもあるのです。社会では通用しませんがね。
その様子を傍で見ていたある人(外部)が「blcさん、先生方は決めるということで動いていないんですよ、ああでもないこうでもないとやるのが学問ですから」。
私は、思わず、ひざをたたきました。学問の本質は案外「冗長性」と「多様性」にあるのかと。そして、それは社会にとって、必要なものでもあるのかと。
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