高校生向けに一日大学の授業を公開するサマースクールという試みを4年前から行っています。かなり早いと自負していますが…。
そのサマースクールが明日です。集まり具合はまずまずですかね。
オープンキャンパスと違って、しっかりと大学の授業を3コマ受講させます。もうどこの大学でも似たようなオープンキャンパスが行われていて、百花騒乱、高校生は食傷気味と判断したからです。日本人の集団思考の悪いところが出たイベントのひとつだと思うようになっています。もっと大胆に他の大学と違うことをやるところが出てくればいいのに、むしろ真似たがるでしょ。
そこのところを内田樹先生が書いていました。
大学が生き延びるために:内田樹の研究室
(GP批判、結構あたってるかも。)
もちろんオープンキャンパスも実施しています。高校でオープンキャンパスへの参加が宿題になっていて、サマースクールの参加ではだめだというのです。高校生本人の判断でしょうが、このあたりの硬直的な考え方に違和感を感じますが、まあ仕方ないですが。
企画した時のイメージはアメリカのドミトリーを開放してのサマースクールです。一週間くらいの泊り込みで本格的な大学の授業を自分の興味で受けられるようです。集中講義を高校生が受ける感じでしょうか。
さて私の仕事は広報ですので、このサマースクールの企画に人を集めるためにいろいろと手を尽くすわけですが、意外と苦戦しました。
一例ですが…。学校広報のこの手の話はあまり誰もしないので書いてみます。
インターネット広告(PPC)でサマースクールというキーワードを試してみましたが、ほとんどの訪問者が探しているのは小中学生を対象にした塾の「サマースクール」。この世界では「サマースクールは盛んなようです。
このあたりのキーワードを使った広告手法はだいぶ勉強しました。小規模大学の生き残りはこのあたりがカギなのです。
それで「大学講義」「公開講義」「夏季講座」などの思いつくキーワードも試しましたが、どうもうまくヒットしません。検索する高校生に大学が夏に講座をやっているという概念自体がまだないのだとわかりました。ニーズが掘り起こされていなければ、いくら「キーワード」を探しても限界があります。
もちろんオープンキャンパスで模擬講義などをどこでもやっているわけですが、それでは広すぎて、うまくマッチングしません。広すぎるというのは、広告費用が高いということです。(この手のネット広告はオークション方式ですので)
仮に広くアクセスを集めても、あまり実質的ではありません。
実質的なものにするには、そのキーワード(たとえばオープンキャンパス)で入ってきたサイト訪問者に関心を持ってもらう仕掛けが必要になります。かなりの費用と手間をかければ可能でしょうが…ネットでは訪問者を資料請求など成果に結びつけることをコンバージョンといいますが、まさにコンバージョン=キリスト教で言う改心させるためにはしっかりとしたコンセプトと技術が必要です。
これが目下の私の関心事ではあるのですが、相当難しいことです。外の業者に頼んでも、たぶんうまくいきません。大学のことがわかってないからです。
要するに
「夏休みに大学で大学の勉強をしてみたい」
「大学の講義を聞いてみたい」
という層をどう探していくかですが、たぶんこれはそういう層を創出していくということに近いと思います。高校生と高校の先生に対して、これを伝えていくということです。
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